基礎できた貴重な人〜黒澤明監督の話〜

「いつもにこにこして、おとなしい人だったが、私の作品ではなぜか強い役ばかりやってもらった。『七人の侍』で七人全員がいっしょに走るシーンがあったが、宮口さんが一番腰の形が決まった走り方をしたし、若い人たちより速く、私の目も間違っていない、と思ったのが印象に残っている。基礎がしっかりした貴重な人で、こういう俳優が去ってしまうのは大きな痛手だ。」

「三人の侍」になった〜三船敏郎さんの話〜

「七人の侍」で共演して以来のおつき合いで、三船プロの作品にも出演してもらった。また昔からの俳優仲間が一人亡くなったと思うと大変さびしく、七人の侍もこれで三人だけになってしまった。心からご冥福をお祈りする。」

「七人の侍」